Short Stories

Hommage
2011.5.1
作品の製作中、東北・関東地方では震災が起こり、甚大な被害の状況が報道されました。日本中言葉にはできない人々の感情、日々刻々と色々な情報の形をとって目に耳にしてきました。このような事態に陥ったとき私たちは何か役に立てないかと考え始めると思います。まずは命を繋げる物質や環境でしょう。医師や消防士や体力を必要とする仕事の方たちの救援は震災直後から未だ続いています。この段階では表現者は何もできないのでしょうか。空腹を満たすのは食料ですが、虚無感を芸術で満たせないでしょうか。口づさむ歌や瓦の中の絵でひと時の安らぎを感じることはないでしょうか。または泥の中から見つけた写真が思い出を映し涙することもあるでしょう。そして被災された方々に衣食住をはじめ、それらが満たされた後、人々の悲しみの残る中、表現者はどのような役割を果たすことができるのでしょう。
芸術には自分の存在表現、外への啓発、祈りや願いの共有…これらな芸術を育てていると思います。
今大切なもの共有ではないかと思うのです。芸術だけではなく、科学、哲学、宗教、文学、教育など…それぞれの分野の智慧は共有することで人間社会を豊かにするための役割を果たしていると思います。この震災は改めてこれらのことを考えさせます。

東北地方太平洋沖地震の被害を受けられた皆様には、謹んでお見舞いを申し上げますとともに、中田千湖バレエシアターでは被災者の方々のため、日本赤十字社に寄付いたします。